コネクタについて
コネクタの役割
コネクタとは、ある機能と機能を電気的に接続する電子部品のことで、機器に挿す側のオスコネクタと挿されるメスコネクタを脱着して篏合(接合)します。
その役割としてももっとも大きなところは、繰り返し脱着ができるということです。機器間の容易な脱着により、モジュールごとの効率的な製造を可能にします。具体的には、ユニットごと、モジュールごとの大量生産、複数の生産拠点での機能ユニットごとのグローバル分業生産や、装置の組立、据付、またこれらの修理やメンテナンスが、効率的に実現できます。
コネクタの機能として求められるものは、あらゆる環境下で、電力や電気信号を安定してつなぐことにつきます。その信頼性をもとにして、環境や途に応じて適切なコネクタが選定されます。コネクタの選定要因は、「配列」「素材」「接続方法」「サイズ」「接触抵抗」「絶縁性」「寿命」「コスト」など様々で、非常に多くの種類のコネクタが各メーカーより供給されております。
コネクタの種類
簡易な着脱を目的とするコネクタは、挿す側の「オス(”male”)」と挿される側の「メス(”female”)」で対となっており、使用用途や環境により様々な種類に分類されます。
電気回路での分類では、まず「電源用」と「通信用」のコネクタに分類されます。ただ、現在は電源と通信の複合ケーブルもございますので、「電源用」および「通信用」を兼ねたコネクタもございます。
次に、接続形態からの分類です。分類としては下表のとおり大きく3つに分けられます。
接続形態からの分類
基板対電線コネクタ
基板と基板を電線でつなぐ
Board to Wire (B to W)
基板間コネクタ
基板と基板を直接つなぐ
Board to Board (B to B)
電線対電線コネクタ
機器と機器をつなぐ
INPUT / OUTPUT (I / O)
また、コネクタASSY(取り付け)からの観点からも主に3つに分類されます。1つ目がはんだ結線タイプのコネクタです。共晶はんだや鉛フリー(無鉛)はんだを使用して、コネクタと基板または電線を結線します。はんだ結線については、ASSYの簡易性というメリットはありますが、作業者の技量によりはんだの品質が左右されるというデメリットもございます。
2つ目が、コンタクトピン・ソケットを電線で圧着してから、コネクタに挿入して結線するタイプです。こちらはコンタクトの再挿入ができるものもございますので、メンテナンス性は高いですが、各コンタクトで専用工具が必要とされる為、簡易性や汎用性の面ではデメリットがございます。
3つ目は、圧接タイプのコネクタです。フラットケーブルに関しては、圧接タイプのものが多く、こちらも専用工具を必要としますが、結線の作業性と安定性は非常に高いです。
用途別コネクタの分類として主に下表のとおりとなります。
用途からの分類
丸形コネクタ
多芯ケーブルを結線するために使われる
MSコネクタ、メタルコンセント
角形コネクタ
コネクタの接続箇所のスペースに考慮して使用される
MILコネクタ、D-subコネクタ、ハーフピッチコネクタ、Han産業用コネクタ
電源用コネクタ
機器の電源を供給するための接続として使用される
配線用差込接続器(ACコンセント)、DCプラグ・ジャック、MSコネクタ
光コネクタ
光ケーブルを接続するためのコネクタ
SCコネクタ、FCコネクタ、STコネクタ、LCコネクタ、MTRJコネクタ、MUコネクタ、MTコネクタ、MPOコネクタ
同軸コネクタ
同軸ケーブルを接続するためのコネクタ
BNCコネクタ、M型コネクタ、N型コネクタ、TNCコネクタ、SMAコネクタ、SMBコネクタ、SMCコネクタ
通信用コネクタ
信号の伝送を専用としたコネクタ
LAN端子 (RJ-45)、モジュラープラグ・ジャック (RJ-11)、DSコネクタ、FCコネクタ、LCコネクタ、MPOコネクタ、MTコネクタ、MUコネクタ、RS-232C
コンピュータ用コネクタ
PCやモバイルで使われるインターフェースコネクタ
USBコネクタ、IEEE 1394コネクタ、D-Subコネクタ、PS/2コネクタ、DINコネクタ
音声・映像用コネクタ
音声や映像用信号で用いられるコネクタ
RCAコネクタ、DINコネクタ、ミニDINコネクタ、XLRタイプコネクタ、フォンコネクタ